【ブログ】2024年1月②ぼけますから、よろしくお願いします
2018年に公開された映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」
映像監督をやっている娘さんが、アルツハイマー型認知症のお母さんと老老介護に奮闘するお父さんの様子を綴ったドキュメンタリー映画。
初回の映画は、とにかく情報がほしくて何度か観た。
そしてお母さんが亡くなってから新たに2022年に公開された映画「ぼけますから、よろしくお願いします。〜おかえり、お母さん〜」を最近観た。
お母さんが亡くなる時、亡くなってからのドキュメンタリーをなにかで見た記憶があるんだけど、この映画だったか?
でも、知っている内容なのに、涙がとまらなくて久しぶりにしゃっくりが出るほど泣いた(笑)
自分と重ねたとか、不安になったとかそういうことではなく。
ひとり娘を夫婦で大切に育てあげ、たっぷりの愛情を注がれた娘さんは年老いた両親にたっぷりの愛情を持って接する様子がすごくささった。
お母さんが脳梗塞になり体も不自由になり、会話も反応も悪くなり、療養型の病院へ転院する日、8ヶ月ぶりに自宅に立ち寄ることができた。
介護士さんかな?に抱きかかえられながら、自宅に入る時からお母さんの反応が変わり、部屋に入ったら声をあげて泣き出して、私も泣いた(笑)
食卓にお父さんといつもの席に座らせられ、またここに帰って来れるようにがんばれと励ますお父さんにまた泣いた(笑)
言葉は悪いけれど、わかるかわからない状態の家族の気持ちを本当に大切にしていて、私はちょっと反省した。
実は毎年少ないながら4人の親達にお年玉を贈るんだけど、正直今年は母の分をためらった(笑)
だって、すぐ無くすから(笑)
でも、そういうことじゃないよな、それをやっちゃいかんよねって旦那と笑いながら母の分も用意したので、それを反省(笑)
そして時折映される、お母さんがなんでもなかった頃の親子3人の日常生活の様子に、涙が止まらなくなった。
あ、そうか。そこは重ねていたのかもしれない。私にもどうやったって、あの風景は戻らない。自分が子供の頃の家族の風景に、時が過ぎて戻れないという寂しさは誰でもあると思うんだけど、それとはちょっと違うんだよな。やるせないとゆうか、なんというか。
親のピンチを誰がみるか問題。我が家にも今ひしひしと起きてきている問題なんだけど、2、3年前の私はかなりドライな考えだった。
自分だったらどうするか?の目線なんだけど、単純に配偶者がみるべきだと思っていた。結婚したんだから運命だから仕方ないと。自分は子供に迷惑をかけたくないと。第三者介護をうまく取り入れるべきだと。
でも、この1年症状が進む母に奮闘する父と過ごしていたら、考えも気持ちもかなり変わってきたように思う。
なんというか、気持ちが寄り添えるようになったというか。
この映画の監督信友さんは東京広島間を通いで介護した。今も103歳になるお父さんのために、前よりも滞在期間は長くなったが東京から通っている。
お父さんが今も、老老介護も頑張れたのは、娘さんの気持ちが寄り添っているからだろう。
家督が継いで家を引き継いでいく考えの親世代とは、時代が違うと言えばそれまでなんだけど。
でも、親達はその前の時代をずっと生きてきたわけでそれをバッサリ無視はできない。でも時代の変化で親の希望どおりにはならないことも確か。
では気持ちがちゃんと寄り添えていたらどうか。親達が孤独になることがないように(私の場合は父)、家族や第三者が手助けをしていけば良い方向に向かうのではないか。
と、最近ぼんやり考えていたことがこの映画を観て確信になった。
人の気持ちを無視して、ものごとがうまくすすむわけがない。
これからどんどん母の気持ちがわからなくなっても、大切な部分はちゃんと大切にしてあげられるように。
自分の心も体も健康に生きていないといけませんね。
